なぜ大手会社では出来ないのか?【リフォームあるある給湯器の取り換え編】

こんにちは!

自然素材・輸入壁紙を使った「住宅リフォームブログ」を運営している

東京都江東区のエーゼン大塚建設 代表の大塚健太郎です。

 

いつ壊れるか怪しい給湯器、冬を迎える前に付け替えたいけれど

大手の業者に頼んでも出来ないと断られる・・・

そんな状況困りますよね。

でも、実は大手にありがちなリフォームあるあるなんです。

このブログでは実際にあった給湯器入れ替えの経過をご紹介します。

 

■まさかの施工ミス?

■大手業者がギブアップ

■解決のカギは現場にあった

■大企業の抱える呪縛

 

 

■まさかの施工ミス?

 

「オーツカさん、ちょっと給湯器で困ったことがあって」

「どうしましたKさん?」

Kさんは都内でワンルームの賃貸ビルを経営しているオーナーで、そのビルをオーツカの実家工務店が新築してからのお付き合い。同年代でもありオーツカは随分仲良くさせていただいていました。

 

「急にお湯が出なくなった部屋があって、管理不動産経由で東〇ガスに修理依頼をかけたんです。

 無事にその部屋は取り換え修理が出来ました。

でも、この際だから他の賃貸ルームの給湯器更新もしようとすると

排気筒の穴の位置が悪いので、外部足場を組んでもらう必要があると言われました」

 

えっ?それじゃまるで施工ミスみたいですよね?

でも東〇ガスは足場無しでどうやって取り換えたんです?

あぁ、3階部分だから梯子で何とか施工出来たんですね…

 

 

■大手業者がギブアップ

 

オーナーのKさんに連れられて覗いたパイプシャフトです。

写真で左下の1台を東〇ガスさんが取り換えたそうです。

上手く設置できているようですけど何が問題なんでしょうね?

 

 

 試しに外してみると想像した通りの2重煙突が出てきます。

いわゆる室内設置のFFタイプ。

2重煙突の外側から新鮮空気を入れて、内側の煙突から燃焼ガスを排気する仕組みです。

 
この交換作業の何が難しいんでしょう?

 

 

コンクリートの壁側には「上」と書かれているガイド管が見えます。

FF給湯器更新の場合このガイド管ごと取り外すわけですが

この外部がコーキングで固められています。

大手業者が難色を示したのはこの点ですね。

 

外部からコーキングを切除しないとガイド管を外せないので「足場をかけないと取り換えが出来ない」とか

パイプシャフトが狭くて、給湯機本体の上げ下げに自由が効かず「コンクリートの穴あけ位置が悪い」という文句が出たようです。

 

 

■解決のカギは現場にあった

 

ではどうするか?というと

 

ガイド管を撤去せずにひと廻り小さい煙突の給湯器を付ければいいんです。

 

2重煙突を取り外した状態でガイド管の内径を測ります。

次に現行品の給湯器でこの穴に2重煙突が納まるサイズの給湯器を探します。
メーカーによって寸法が若干違いますから、カタログをくまなくチェック。
寸法が出ていない箇所はカスタマーセンターに電話をかけて納まり図や寸法の問い合わせをして商品を選びます。

 

 

商品さえ見つけられればあとは取り付けるだけ・・・ですが

ここでもうひと工夫。

 

共同のPSに4台も給湯器が入っていますので施工スペース(クリアランス)が無茶苦茶狭い。

新しい給湯器に合わせたビス穴をあけかえる事が出来ません。

 

なので、本体を壁に取り付けるための金具を再利用。

古い給湯器から取り外して、新しい商品に付け直しをします。

このひと手間で問題なく設置が可能になります。

 

 

■大企業の抱える呪縛

 

実はこの物件でギブアップしたのは東〇ガスだけではありません。

オーツカが建材を仕入れる代理店が紹介してくれた業者も現地調査のあと断ってきました。

「互換性のある商品が見つからず、うちでは対応できません」と

 

大企業や大手の工事店は「同じものが手に入るか否か」で商品を判断します。

現在ついている品番が検索不可とか、商品図(承認図)が手に入らないとか

あるいは商品が廃盤だったり、互換性のある後継機種が見つからないとその時点であきらめてしまいます。

 

今回のように能力を落とさない機種で、煙突寸法が小さい物を探す手間はかけません。

 

平成7年に施行された製造物責任法(PL法)や
企業コンプライアンスの呪縛から

現場で社員が創意工夫をするチャンスが奪われているからだとオーツカは思います。

特にPL法の影響は甚大です。

「オーツカさんの言うエクステリアの加工は俺たち出来るんだけど、会社からはやるなって言われててさぁ」

お施主さんのためにと思って、うっかり加工をすると職人さんが会社で叱られるばかりか、メーカーから取扱店の資格をはく奪されたり、とんでもないペナルティを受けるのだと当時のベテランの職人さんたちはぼやきました。

 

でもあれから26年

「出来るけど、PL法で腕を振るえない」という職方さんたちは引退していき

今いる職人さんは「そもそも出来ない」高度な技術を持たない人ばかりです。
さらに企業コンプライアンスが追い打ちをかけ、リスク回避のために「あれはヤルナ、これもヤルナ」と制限事項ばかりです。

 

4半世紀の間に技術の伝承が途絶えてしまいました。

これがオーツカのいう「大企業が抱える呪縛」です

一方で、エンドユーザーはWEBを駆使してプロが建材ルートで手に入らない給湯器やエアコンを分けなく購入し
YoutubeでDIYの技を学び、創意工夫を凝らしてプロ顔負けのリフォームを実現しています。

そうしたエンドユーザーに大企業が追い越されない事を祈るばかりです。

まあ他所はよそ、うちはうちって事で

オーツカはこれからも創意工夫で対応していきますよ!
脳トレにもなりますしね



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